ENo.148 白百合の少女(ユーリ) 
プロフィール

この世界が 己を生み出した"おかあさん"が 己は大嫌いです。
だったら輪廻を繰り返す前に。己が生み出される前に。

……終わらせてしまえばいい。

何処からきたのか不明で
どうやら遠い未来から"霧の悪魔・フォッグ"に連れてこられた

世界を壊して、再構築するのが目的で
それはフェイクで再構築する心算なんて無くて

差別も諍いも何も無い、理想の世界を創りあげて
生命の代わりに感情の無い"人形"を置こうか

少女は、創造神になろうとしている
"──神になんてなるなよ"って言われたのに


見た目の推定年齢19歳。
精神の年齢は10にもなっていない。
名前は棄てた。
創造の力を使うと白百合の香りが漂うから、いつしか"白百合"と呼ばれるようになった。

ヘンリエッタという女に創り出されたと言う。
だから己を創り出した彼女が大嫌いだと言う。
まるでコピーの様に何千と生きているヘンリエッタの記憶を脳内に持つ。
己の記憶も持っていたが、もうどれが己の記憶で、どれが彼女の記憶か。
或いは全く知らぬ者の記憶か────判別がつかない。

創造の力がそれを欲する者の目に留まり、幽閉されていた。
終わらない実験と訓練。生み出してしまう異形と神への冒涜。
壊れた心の片隅に残る正気を、護るように鍵をかけた。

毎日神様に届くように祈って、いつか誰かが助けてくれると信じ続けて。
でも手を差し伸べてくれたのは神ではなくて。
────欲に塗れた"悪魔"だった。


己を助けてくれたのは、小さな少女でした。
俺を掬い上げてくれたのは、小さな悪魔でした。

己の事をユーリと呼んでくれました。
俺の名前を呼んでくれました。

そうです。
己は白百合ではなくて────俺は、悠吏。


 
 
 
 
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