これは手帳に紛れ込んだ,航海日誌の1ページ。
いつかのどこかの船の上での記録。もしくは記憶。
彼らの未来も,彼らの結果も変わりはしない。
けれどその記録は確かに残り,その記憶は鮮やかに思い出される。
日誌の書き手は右腕なくした船長さん。
大好きなのは自由とお酒と船と海。
海賊じゃないよ,貿易商だよ。
─────
Eighten U-Fourock
エイテン・U=フォーロック
1732年7月16日生まれ
英国から私掠許可状を発行され,フォーロック私掠船団を率いていたバリス・フォーロックの次男として船上で生を受ける。
やがて父と兄が死に,私掠許可状の更新が認められなかったために“ラーンズ貿易会社”を立ち上げ,私掠船ではなく貿易船『シーエルダー号』の船長となる。
その後,フレンチ=インディアン戦争を機に私掠船団を再編成。コルセアの一団を撃滅するも,フランス海軍に破れて死亡した。
以上が記録に残っている彼の経歴であるが,海戦での死亡は偽装であり,彼は自由を得て戦争を生き延びた。という説も根強い。
未来もしくは現在
18世紀に生まれたエイテンのその後は定かではない。
少なくとも上記の海戦では死亡せず,部下と共に異世界を渡り歩き,貿易やラム酒の販売を行っていた。
晩年は最愛の妻に看取られて旅立ったとも,船と共に海に沈んだとも言われている。
ただ,確かなのは彼が最期の時まで自由な海の男だったということ。
それから,彼がこの世にはもう居ないということ。
─────
SeaElder
貿易船シーエルダー号
フォーロック私掠船団の旗艦であったフリゲート艦。
左右11門,後部に4門と計26門のカルバリン砲を備えている。
とある島での出来事から、世界の狭間を渡る力を得た界渡りの貿易船。
船長と22人の船員によって運用されている。
クリップはこちら。どなたでもどうぞ→
シーエルダー号
未来もしくは現在
シーエルダー号はエイテンの子孫が引き継ぎ,改修されながら半世紀近く運用された。
だが時代は移り変わり,やがて帆船は必要とされなくなって,界渡りの力も忘れ去られた。
界渡りの力をもち世界の因果を外れていたこの船は,とある停滞の世界に流れ着き,その浜辺に今も残されているという。
─────
<サブキャラクター>
名前:ラディアン・シュピリシルド
愛称:ラディー
出身:大英帝国
年齢:??
性別:男
シーエルダー号の航海士にして,ラーンズ貿易会社の実質的な舵取り。
ブロンドの髪と中性的な顔つき,小柄な身体と,およそ船乗りらしからぬ風貌。
服装もどちらかと言えば貴族然としており,物腰も柔らかい。
けれど時と場合によっては,船長よりも非情な判断を下すことが出来るらしい。
腕っぷし以外は明らかに船長より優秀な作戦参謀だ!
未来もしくは現在
表面的な態度はともかく,エイテン船長に絶対の忠誠を誓うこの男は,その子孫に至るまでも見守るために自ら人間であることを捨てた。
異世界で得た魔力によって不死の魔人となり,何世代にも渡ってフォーロック家とラーンズ貿易会社を支えていく。
だが,2世紀以上の時間が過ぎた頃には彼を知る者など一人も居らず,彼の存在は世界の“異物”でしかなくなっていた。
世界から排斥された彼はシーエルダー号と共に停滞の世界に流れ着き,そこで今も船を修理し続けている。
再び海に出て,シーエルダー号を船長の元に返すために。
─────
<ゲストキャラクター>
http://ct.428.st/?mode=profile&eno=509&icno=1