「まってまって!ココだよココ!ちょっとまって飛ぶから!」
「ほら見やすくなったでしょ……あ~~おれべつに魔物とかじゃないからね!これそういう道具なんだ!
はじめまして!おれはトレジャーハンターのアルゴノートだよ。皆ノートって呼ぶよ」
などと話しかけてくる球体の機械。野球ボールよりちょっとデカく、バレーボールよりは小さい。
葉っぱのような形のプロペラがペラペラして飛ぶ。
見た目相応に重い。軽めのボーリングの球くらい。
経緯を見る?
はい
どうしてこうなったか。まずはその話から始めようかな。
おれの仕事は遺物探索者ってお宝をゲットする仕事だよ。
昔、魔法の大国があった場所があってさ……ここにはわんさか魔法遺物が埋まってるから、おれたちはみ~んなここに集まるんだ。
この国は、今はその場所にある一番大きいものに因んで、大樹の遺跡って呼ばれてる。
街を何重層にも重ねて作ったみたいなすごい立派な国なんだけど、でも全部埋まっちゃってるから、探索するには上の方から降りていくしかない。
国の防衛機構がまだ動いてるせいで厄介な魔法生物が湧くから、回収は簡単じゃない。でも魔法遺物は本当にいい金になる。どれもこれも、イチから作る方法は失伝してるから。
つまり、遺物探索者ってやつは勇敢で、おれも勇敢だった。未踏破区域を探して下へ下へ潜って、そして見つけたのがこの潜水艦さ。
これがあったのはでっかい部屋で、一部が崩れてて、瓦礫の下にはやっぱり他にも魔法遺物があったんだろうなと思う。
でも真っ先に調べたのは一番でっかくて目立ってたこれだった。
動くなら絶対、大金になる。
やったと騒ぎながら踊り出したいのを我慢して潜水艦の入り口を探して、中に入ると、3、4人は乗り込めそうな中々快適な空間だった。そして案外、きれいに保たれてた。
潜水艦の中の見やすい所に置かれた手記を開いた時、その名前を見つけた。
エリスティ・クロムウェル!今まで発見された魔法遺物のうち、特に強力なものによく刻まれている名前だ。
もしかしたらここは、彼か彼女の工房だったのかもしれない。
そしてこの乗り物は、その偉大な魔法師の作品!
いったい幾らになるのか想像もつかない。
手記は古い文字で書かれていたけど、おれはそういう文字の勉強もしていたから、訳して読み上げた。
潜水艦の操作手順だったからだ。
で、親切な手記の通り操作して、無事動くことを確認して今度こそ歓び騒いで、一旦出ようとしたとき。
――ようやく、閉じ込められてることに気づいたってわけ。
PL注意:こちらは一時的にメイン交代しているキャラになります。
いつものメイン神→
http://ct.428.st/?mode=profile&eno=239&icno=1
死亡企画参加キャラクターにつき、1月19日付近に避けられない死が訪れます。ご了承ください。
総責任者:@ko_nose_8